FC2ブログ

今回は珍しく少しだけ真面目な話を。


最近、
【然るべきタイミングで然るべきご縁が繋がる】
ことを実感する機会に恵まれています。

本当に、僕の周りでは
びっくりするぐらい多発しています。


でね。実は、

子供の頃にはお祖母ちゃんに、
大人になってからは亡くなった兄貴に、
【正しく振る舞いなさい】
【礼儀正しく生きなさい】
としつこいくらいに躾けられてきたのですが、

それらの言葉は

【そうしていれば、本当に必要なときに
   必要なひとが必ず助けてくれるから】
【そういう人に、ちゃんと出逢えるから】

という言葉に繋がってました。
ここ最近のできごとで、
改めてそのことを思い出させてもらっています。



今、僕には
施術をサポートしてくれる相方がいます。


前述のご縁のほとんどは彼女が紡いてくれており、
アシスタントという言葉などではとても表せない
かけがいのないパートナーなのですが、
つい昨日のこと。


そんな彼女が、
治療院に通う途中、治療院のすぐ近くで
交通事故の現場に遭遇しました。

厳密な意味では目撃者ではなく、

ふと視線をやると
車と衝突したバイクの男性が
路上に転倒していた

という状況だったのですが、
すぐに救護活動を始めたようです。


幸いなことに、バイクの男性の
意識ははっきりしており、

止血等を行いながら、
僕のところに電話をよこしてきたのですが、
正直なところ、そういう状況下では
僕にできることなんてほとんどありません。


とはいえ、
負傷者の痛みを軽減するくらいなら
できるかもしれないということで、

僕もチャリを飛ばして現場に向かいました。
立ち漕ぎなんていつ以来だろう・・・・?(笑)



前にも少し書いたことがありますが、
僕は前職では交通事故の鑑定をしていました。

なので、現場を見た瞬間、
直進バイクと対向右折車が衝突したのだという
おおよその事故の発生状況はわかったのですが、

僕の現着から約3分ほどで、
チャリに乗って最寄りの交番から駆けつけてきた
お巡りさんは、
現場にいる人たちに向かって
【どういう事故なんですか?】
【それぞれどっちからきてぶつかったんですか?】
【誰か事故を目撃した人はいませんか?】
と聞いて回りました。



その時、
もう一人の当事者である
デイケアセンターの送迎車の運転者は、
僕のアシスタントが救護活動を行い、
別の若い男性が携帯電話から
119番に通報して現場の位置を一生懸命に
伝えようとしているところから少し離れ、
携帯から自分の勤務先に
言い訳がましい電話をしていました。


そして、

その場にいた人たちがそれぞれ異口同音に

【衝突の瞬間は見ていません】

とか

【衝突音が聞こえたのでそっちを見てみると
 バイクの男性が倒れていました】

という内容の回答をするたびに

何か安心したような表情を浮かべました。


その後、

お巡りさんがその男性に

【あなたが車の運転手さん?
 どういう状況でぶつかったの?】

と尋ねると、

僕が予想していた通り、
と言うよりは僕の予想を遥かに超えたレベルで、

保身のために殊更に自身を正当化しようと
【右折待ちで停止していたら
 対向してきたバイクが突っ込んできました】

と答えました。




こういうのって、実はすごく多いんですよ。

当たり前ですが、
仕事中に社用車で事故を起こした場合、
勤務先に事故を報告しなくてはなりません。

でも、
その事故が自分の非が大きい事故であればあるほど、
正直にそれを報告するのに勇気がいりますよね。


仮に、車を運転していた男性の申告する通り、
もし本当に右折待機の停止をしているところに
対向バイクが突っ込んできたのだとしても、

対向車線を3分の2以上塞ぐ位置まで
はみ出したところで右折待機をしていたのであれば、
事故発生の責任の大部分は
不適切な位置で右折待機をしていた
車側に追及されることになるんですよ。

でも、

一般の人にそんなことを知っている人は
ほとんどいませんよね。



つまり、その位置で停止していたのなら
【停止していないのとほとんど変わらない】
という評価なのに、
つい自身を正当化しようとして
そういう申告をしてしまいがちです。

そして、
そのような申告をしてしまう心根をベースに、
【自分は悪くない】
というスタンスでの主張を展開するのです。




でもね。


ある程度の知識や分析力のある者が見たら、
双方車両の破損状況や停止位置などから、
車が停まっていたのか動いていたのかなんて
一目瞭然なんですよ。


たとえばね。


あくまでも一般論としてですが、

走っている車が何かに衝突して
ヘッドライトが割れたとすると、
ヘッドライトの破片は直前の運動方向、
つまり、車の進行方向へ向かって
かなりの勢いで飛び散ります。

反対に、

停まっている車に何かが突っ込んできて
ヘッドライトが割れたような場合、
ヘッドライトの破片は車の真下に
こぼれ落ちるように散らばります。




そこまで専門的な見方をしなくても、

右折待機のためにゆっくり停止したのではなく、
ビックリして強くブレーキを踏んで停止した場合、
急ブレーキのタイヤ痕は印象されていなくても、
停止位置の直前のアスファルトには、
路面に浮いていた小石や砂が
アスファルトを擦ったような痕跡が印象されています。




或いは

目の前を斜めに塞いで停止している車に
対向のバイクが突っ込んだ場合、
ほとんど例外なくバイクの運転者は
車のフロントガラスやボンネットに
身体を衝突させますが、
双方が走行状態で同様の衝突が起きると、
場合によっては押されるようにして
ベクトルが変化して、
バイクの運転者が対向の車に衝突することなく
路面に投げ出されることがあります。





また、

バイクが対向方向からの車と衝突すると、
最初に衝突するのは前輪の前端部分となるため、
ほとんどの場合は前輪のリムに変形が見られ、
そのリムの変形の度合いにより、
バイクが受けたおおよその衝撃が推察されます。

その一方で、

運動物体が他者と衝突した際に受ける衝撃は、
保持している運動エネルギーが、
急激に運動を停止することで,
或いは急激に運動速度を低下させたことで
顕在化したものと考えられ、

その際に顕在化する、
運動物体が保持する運動エネルギーは
K=1/2×M(重量)×V(速度)の2乗
となるため、

交通事故による衝突の場合、
重量が重い側の
速度成分が大きければ大きいほど
衝突による損害は大きくなると考えられます。

分かり易く例を挙げると、

例えばフルマラソンを2時間半で走るとすると、
そのランナーの平均速度は時速約17キロです。

そのランナーがうっかりよそ見をして
(そんなランナーはいないでしょうけど)
停まっているダンプカーに衝突した場合と、

立ち止まっているランナーに
時速17キロで走ってきたダンプカーが
衝突した場合とでは、
ランナーが深刻なダメージを負うのは
どちらの衝突かはちょっと考えれば
すぐにわかりますよね。




他にも、
前輪のリムの変形している範囲、
つまり前輪の破損部位の角進度から
推定される前輪の回転速度=バイクの走行速度と
変形の度合いから推察される
衝突エネルギーの辻褄などからも
車の速度は推察できたり、

色々なファクターを考えあわせて
一般的客観的に事故の発生状況を
判断することは十分に可能なんです。
ある程度のスキルのある者なら、ね。



で、そうこうしているうちに救急車が到着し、
警察署からも多数のお巡りさんが到着して、
現場は一段と慌ただしく賑やかになりました。

その場にいた当事者以外の者は全員、
交通捜査係のお巡りさんに再度

【事故を目撃していないか】

と尋ねられ、
事故に気付いたタイミング
つまり目撃の計測性の高さによっては、
氏名や連絡先を聞かれます。

今回の場合でいうと、
救護活動をしていたアシスタントの彼女は
連絡先を聞かれ、

【全く見ていません】
と答えた僕は
【あぁ、そうですか】
で終わりました。


そんな中、
負傷者を気遣うでもなく、
騒ぎから少し離れた所で他人事みたいに
突っ立っている車の運転者が目につき、
その姿があまりに腹立たしかったので、

近付いて行って
【あなた、停まってなんかいなかったよね?】
と声をかけてみました。

すると、マンガみたいに分かり易く

ギクッ

としながら、しどろもどろな感じで
【いや、あの、右折待ちで停まってたら・・・・】
【え~と、あの・・・・、その・・・・】


なので、できるだけ怖い顔と声で

【僕はたまたま通りがかっただけなんだけど、
 交通事故を鑑定する仕事をしています】

【お巡りさんもそうだけど、
 車の破損状況や現場の様子などを
専門家が見たらすぐにわかるよ?】

【動転してるのはわかるけど、正直に言わないと】

【嘘はだめだよ、絶対に】

と念を押し、負傷者のそばに戻って
バレないようにこっそりと(笑)
痛み消しの施術を続けました。


交通捜査のお巡りさんも専門家ですから、
お巡りさんの下す判断はきっと
僕の見立てと変わらないはずです。


ほとんどの人は知らないと思いますが、
一般的には人身事故と呼ばれる事故、
要するに不幸にして負傷者が出てしまった交通事故は、

【交通事件】

として扱われます。

つまり、他者を負傷させてしまった運転者は

【わざとではないが、自動車を運転中に
 誤って他人様に怪我をさせてしまった】

罪を問われる
【被疑者】として

【取り調べを受ける】ことになるんです。



なので、
現場の状況と辻褄の合わないような発言は、
その真偽について徹底的に追及されるため、

少なくとも、お巡りさんからの取り調べに於いて、
事実と異なる内容の供述がまかり通ることは
ほとんどありません。


ところが、
警察への状況報告と、
保険会社への事故報告の内容が
全く異っている・・・・・。

こういう事例、実はかなりの頻度で見受けられます。

民事賠償についての要である
保険会社への事故報告については、

自分に都合の良い内容にアレンジされてしまい、

その後の示談交渉が
揉めまくることがとても多いんです。


保険会社も
交通事故に関しては専門家と言えますが、
難しく言えば

【利益相反】


分かり易い言葉でいえば

【保険会社ってね、
 お客様の言うとおりにしか
 事故のお相手と交渉できないんですよ】


というジレンマを抱えています。

つまり、保険会社は

【あれ?うちのお客さん、
 何か辻褄の合わないこといってないか?】

と思っても、民事賠償を代行する立場から、
自らの顧客に対してそれを追及できないんです。

そのため、
何となく違和感を感じながらも、
事故の相手方には顧客の主張に則っての
示談交渉しかできない・・・・。


こういうトラブルは、
保険会社への事故報告の際、

社用車なら、
運転者→勤務先→保険会社。

親の車なら、
運転者→親→保険会社

レンタカーなら、
運転者→レンタカー会社→保険会社

というふうに、
運転者と保険会社の間に
他者が介在するときに多くみられます。


でね。

救急隊員が負傷者を収容し、
アシスタントの彼女が別の救急隊員から
救護活動の際に手に付いてしまった
負傷者の血液等を
洗浄消毒してもらっている様子を
そばで見守っているときに、
少し離れたところに
手持ちぶさたな様子で突っ立っている
車の運転者の携帯に着信があったんですよ。

運転者の様子から、
明らかに勤務先から・・・・。


そしたらこのおっさん、性懲りもなく

【いやぁ、はい。だから、
右折待ちで停まってただけなんです】

【そこに対向してきたバイクがですね・・・・】


ほんま、このジジィだきゃ・・・・(怒)




前振りというか、状況説明が長くなりましたが、

たしかこのバイクの運転者さん、
最初に現場に駆け付けた交番のお巡りさんに
【仕事中です】
【バイクの(任意)保険には入ってません】
と言っていたんですよ。

とすると、今後の示談交渉は
相手の車の保険会社VSバイクの運転者個人
という図式で行われることになります。

自分側に
専門家である保険会社が付いていない示談交渉は
きっと難儀なものになるはずです。


そして、

この件について、僕は完全に部外者です。

アシスタントの彼女は、
辛うじて、関係者としてカウントされるかどうか、
そのギリギリのところにいると言えます。

なので、僕は当然ですが、
アシスタントの彼女ですら
今回の事故で負傷した
バイクの運転者さんが、どこの誰なのかを
知ることはできないんです。

その一方で、
バイクの運転者さんからなら、
アシスタントの彼女がだれなのかを
何とか知り得ることができます。


どういうことかと言うと・・・・

事故の当事者であるバイクの運転者さんが、
その立場から警察なり消防なりに

【事故現場で救急車が到着するまで手当をしてくれた女性に
 お礼を言いたいのですが、連絡先はわかりませんか?】

と問い合わせれば、
警察や消防は、まず彼女にその旨を伝え、
彼女が同意すれば、彼女の連絡先を教えてくれるはずです。



今の状況は、

今後の示談交渉でおそらくかなりの苦労をするであろう
バイクの運転者さんと、

ギリギリで事故の関係者にカウントされている
アシスタントの彼女、
そしてその後ろにいて
きっとお力になれるであろう
ハゲ頭の怪しい施術家

とのご縁の糸は
お互いのすぐ近くまで届いているといえます。


そして、
このご縁の糸が結わえるかどうか、
それは、
バイクの運転者さんが
彼女にお礼を伝えたいと思うかどうか。
ただそれだけにかかっています。

お礼を言われる側からの
こういう考え方は、ある意味
すごくおこがましいとも思いますし、
当然ながら、
お礼を言ってほしいとか、
お礼を言われるべきなどとは
これっぽっちも思っていません。

でも、
お祖母ちゃんや兄貴が
しつこいほど躾けてくれたこと。

【正しく振る舞いなさい】
【礼儀正しく生きなさい】

【そうしていれば、本当に必要なときに
   必要なひとが必ず助けてくれるから】
【そういう人に、ちゃんと出逢えるから】

というのはそういうことなんだろうな、と

身を以って体験させていただきました。





スポンサーサイト



2017.03.12 / Top↑
Secret